薄暗いうちから堤防へ。
師匠と釣友の手元を見て、リトリーブをあわせる。
やや刻んだ、窮屈めのリトリーブ。
水面は静か。
・・・・・・・・・。
私の左にいた釣友が1尾かけた以外は、私にも師匠にもまったくあたりがない。
6:30am、オオメに見切りをつけた師匠は場所移動し、沈めてキンメ狙い。
う~~ん。潮は動くんだけどな・・・・。
オオメいないな・・・・。
で、ふと右方向を見ると・・・
師匠の竿が曲がっているではないですか!
俄然やる気が出たカマス屋、カマスのことは忘れてキンメ狙いに変更。
ベストの背中からWFのラインを出す。
「げ!タイプⅥじゃない!間違えてタイプⅣを持ってきてもうた!」
皆がタイプⅥで40秒程度のカウントダウンですんでいるのに、私だけタイプⅣで1分入れる。効率悪いことこの上ないが持ってないんだから仕方ない。オオメよりやや早めの小刻みリトリーブ。
「カン!」
かからん。
「カン!」
かからん。
「ぐし!」
ぐいんぐいんぐいん。あわせを3回入れて竿を立てる。
へへへ~~~。久々の魚の感触。いいねえ~~。
釣友が写真をとろうと、近づいてきたので魚を水中に入れたまま待つ。
・・・・・・・ばれた。
ええい!カメラなんぞ出すんじゃねええ!!
あわてて再度キャスト。
何度か投げるがあたりがない。
この時点で一尾も釣ってないのはアタシだけ。
ちょ~~プレッシャー!緊張感ばりばりの集中力全開リトリーブ!
フライが浮いてきたところに反転する黒い影。「グシ!」
今度はもたもたしない。とっとと(というか、すんごくあわてて)ぶり揚げる。
へへへ~~~。
やっとこさお目にかかりましたなんとまあ、今年になって一匹目(ほんとかよ!)の魚。
地元の釣人は「キンメ」と呼んでいるのでわれわれもそう呼ぶが、見てのとおり、「キントキダイ」の仲間。チカメキントキなのかホウセキキントキなのかはよくわかんないけど、キントキダイであることは間違いない。死んだ魚の目は水晶体が美しく、「キンメ」と呼ぶのもわからんではないな・・・というような気がする。ここでのサイズは25センチほど。しかし、そのサイズにもかかわらず、引きは強い。体高があるから水の抵抗が大きいのかな・・・・。
水深のある釣り場でカマスを釣っているとき、沈めすぎて釣ってしまうことは時々あったが、狙って釣ったのは今回がはじめて。いるときといないときがはっきりしているらしいのだけれど、この時期に「頼みのオオメ」がつれないときに狙う魚があるというのはありがたいハナシ。
その後、潮とまりの8:30頃までぽつぽつあたりがあり、2尾追加。結果、クーラーには3尾が入った。
しかしまあ、師匠と釣友とワイワイさわぎながら釣るのは楽しい。ここのところ、フライの釣りはずっと一人だったし釣れてなかったし・・・なのでなおさら。一人の時には絶対にない「ニコパチ」写真もとってもらって(ナイショ)結構うれしかったりする。もちろん、ひとりでやっているときには絶対に得ることのできない「人が釣っているリトリーブ」をまねすることができる。自分だけの感覚ってのは知らないうちにワンパターンになってしまうことも多く、横に他のフライマンがいればそれを修正することができるのだ。(その人が自分より上手ければなおさら)
ちなみに、カマスナブラは7:00amちょうどからはじまった。とはいえ、姿が見える激しいなぶらではなく、ある程度の水深のところを移動するカマスにびびったたくさんの雑魚が水面から飛び出るといった様子。どうにもこうにも、オオメは数がそれほど多くないような・・・って、釣れてないイイワケは後ろ向きになる傾向があるのであまり納得されても困るのだけど、まあそんなもんかと。
てなわけで、わずか3尾の結果の釣りだったのだけど、アタシの今年の「初日(ショニチ)」は、その釣果にもかかわらず、とっても満足した釣りになったのでした。